シャツの芯地についてShirt tips01

シャツの芯地

普段着ているシャツの「衿・カフス・前立て」に使用されている芯地ですが、色々と種類が有るのをご存じですか?
芯地の違いを気にするお客様は少ないですが、オーダーシャツなら芯地を変えて好みの着心地にすることも可能です。
ビジネス用なら少し硬めの芯地でキリっとさせたり、カジュアル用なら柔らかな芯地でリラックス感を演出する事も出来ます。

※当店のオーダーシャツは15種類の芯地をご用意しています。ONLIN-SHOPでの選択は7種類ですが、それ以外も対応可能ですのでお申し付けください。

芯地を使用する理由は、生地にハリやコシが生まれシルエットを美しく保つ事が出来るからです。また、芯地の種類によってはシャツのメンテナンスが楽になってきます。
どのような芯地が有るか、紹介してみますのでご覧ください。

オーダーシャツの芯地

1.トップヒューズ芯(完全接着芯)

既成シャツで一番多いのがこのトップヒューズ芯で、完全接着された芯地で半永久的にパリッとした見た目と着心地になります。
オーダーシャツでも綿とポリエステル混紡や綿の形態安定生地の場合は、基本的にはこちらの芯をおススメします。芯地が生地に接着されているのでアイロンがけなどの手入れがしやすくご家庭での洗濯向きになります。
手入れがしやすい反面、クリーニングに出すと衿が縮む事が有ります。理由として安価なクリーニングでは作業効率を上げる為、シャツが半乾きのうちに高熱プレスなどを行うからです。但し、少し料金は掛かりますが、「手仕上げ」を指定すればアイロンで丁寧に仕上げてくれるので縮みは防げます。

2.フラシ芯

フラシ芯とは、シャツの生地と芯地が接着していない状態の芯地を言います。接着していないので、風合いがあり、柔らかくて、高級感があります。
但し、アイロンがけなどに少々手間が掛かりますが、着用時に肌に当たる部分、特に首周りが馴染む芯地ですので高級シャツでなど柔らかなコットンの風合いを最大限に活かすのにおススメです。
最初から柔らかい着心地ですが、アイロン掛けなどによっては生地が端に溜まって綺麗に仕上がらなかったりするのでこの点は玄人好みと言われる所以かもしれません。
接着されて無いので縫製も綺麗に仕上げるのは一苦労、高度な縫製技術を必要としておりますが無料でお選び出来ます。

3.仮接着芯

フラシ芯の一種でフラシ芯の難点である縫製時の仕立てにくさを解消するため、水溶性の接着樹脂で仮接着させた芯地。仕立て上がり時は接着されていますが、数回の家庭洗濯で糊が溶けてフラシ芯と同じ状態になります。
但し、最初にドライクリーニングに出されると、洗うのが水で無い為に接着樹脂が解けなくて綺麗に剥がれないことも有るので注意が必要です。
仮接着芯のバリエーションですが、非常に柔らかで薄い芯地を使っている「カジュアル芯(仮接着)」が有ります。カジュアルシャツやオックス生地でボタンダウンシャツを作るのにいかがですか。

ではオーダーシャツを仕立てる際に、上記の芯地からどれを選べばいいのか迷われると思います。

シャツの洗い方の違い

先ず、洗濯に関して考えてみます。ご自宅で洗われるのならメンテナンスの楽な「トップヒューズ芯」で、いつもクリーニング店をご利用されるのなら風合いと着心地が良い「フラシ芯」がおススメです。

次に素材から考えてみますと、綿とポリエステル混紡や綿の形態安定生地の場合は「トップヒューズ芯」で、綿100%の通常素材やインポート素材は「フラシ芯」がおススメです。

綿とポリエステル混紡や綿の形態安定素材を家庭で洗う場合は?
→メンテナンスが楽な「トップヒューズ芯」が良いかと思います。

綿とポリエステル混紡や綿の形態安定素材をクリーニング店に出すケースは?
→この場合は高熱プレスでの芯地の縮みを考えて「フラシ芯」が良いかと思います。

綿100%の通常素材やインポート素材を家庭で洗う場合は?
→素材の風合いを楽しむ為にも「フラシ芯」をおススメします。但しアイロンが大変なのでメンテナンスが楽な「トップヒューズ芯」をお考えなら、「トップヒューズ芯のソフト」を選ばれた方が風合いを楽しめると思います。

他にも色々なケースが有ると思いますので、お気軽にお問い合わせください。(^^)/