スーツを着る時の「アンボタンマナー」をご存ですか?
街中でジャケットの一番下のボタンを留めている方をときどき見かけますが、男性の場合は基本的に一番下のボタンは飾りで留めないのが正式なスーツスタイルになります。
一番下のボタンは「飾りボタン」と呼ばれ、2つボタン・3つボタンにかかわらず一番下のボタンは留めないのが「アンボタンマナー」になります。
(引用: https://https://www.big-vision.co.jp/)
理由としてはジャケットの一番下のボタンは飾りで、留めてしまうとジャケット綺麗なスタイルが崩れてしまいます。お手持ちのジャケットを見て頂くと分かると思いますが、一番下のボタンは上のボタンより外側に付けられています。その為に一番下のボタンを留めてしまうと、当然その部分が寄ってしまいシワができたりスタイルがカッコ悪くなってしまいます。
色々と調べると、1920年代頃までのスーツはフロントボタンの位置が全体に高く一番下のボタンを留めても窮屈にならないため一番下のボタンを留めていたようですが、現代のスーツにおいては一番下のボタンは留めないと覚えて下さい。
でも、街中でスーツを着ている方を見ると一番下のボタンを留めている人が結構いますね。
なぜ一番下のボタンを留めてしまうのか?
(引用: https://kanko-gakuseifuku.co.jp/shoplist/harajyuku/media/1125 )
学生服からの影響が有るのかなと思ってます。
ネットで「学生服ブレザー」で写真を探すと一番下のボタンも留めている写真が多いし、学校の指導で一番下のボタンも留めると言うケースも有ったと思います。その結果、ビジネススーツでも一番下のボタンを留めてしまうのではないかと思います。
学生服のブレザーはボタン位置や裾の開き具合がビジネススーツと違うので、一番下のボタンを留めても違和感は有りません。
以下、ブレザーに付いて「カンコー学生服」様に問い合わせしたお返事です。(一部抜粋)
私どもとしては一番下のボタンを留めるように、との説明は行っておりませんが学校として生徒指導の観点から「ボタンはしっかり留めましょう」という指導をされた結果、多くの学校でブレザーのボタンを全て留めているのではないかと思われます。
私どもカンコー学生服の制服(男子)の設計の多くは、2つボタンの場合1つ掛けで着用する事を前提に作っておりますが、第一ボタンから裾にかけてのカーブを強くしていないため、全て留めても違和感なく着用することが出来ていると思われます。女子はデザイン性がさまざまあるため、全て留める仕様が多いようです。
※全てが上記に該当するわけではございません
やはり、ビジネススーツとは少しカーブが違うようですね。
あと私の推測ですが、学校側として「男子は一番下のボタンは留めない、女子は一番下のボタンも留める。」と言う指導がやり辛いからじゃないかな。(^^ゞ
(引用: https://kanko-gakuseifuku.co.jp/shoplist/harajyuku/media/1131 )
最近はブレザーのボタンは男女とも一番下は開けるのも有りのようです。ただし、制服のデザインによって異なる場合もあるので学校ごとの着こなしに従いましょう。
ここまで読んで頂いた方は「じゃあ、なんで留めない一番下のボタンが有るの?」とお思われませんでしたか。
スーツの起源は1848年のラウンジジャケットと言われていて、今のジャケットより丈が長く裾は真っ直ぐで一番下のボタンは留めるタイプでした。また、1920年代頃まではフロントボタンの位置が今より高く、一番下のボタンを留めても窮屈に成らないスタイルでした。その後、ボタンの位置も変わって一番下のボタンは留めなくなりましたがデザイン上は残って今に至ったようです。
スーツのデザインは時代によって変わるので、一番下のボタンを留めるのがマナーの時代が来るかもしれませんね。(^_^)